日本全国のいたるところに存在するダム!その数は全国で3,000を超えるほどあるそうです。ひとくちにダムと言っても、洪水被害を軽減する治水機能はもちろんのこと発電、飲料水、灌漑、工業用水などに利用する利水機能を持つものなどその目的はさまざま。また、重力式コンクリートダムをはじめ、黒部ダムで有名なアーチ式ダムなど建設の型式についても数多くあるので、それぞれのダムに異なった特徴を見ることができます。今回はそんな数多くのダムからぜひ訪れていただきたい日本のダムを5つピックアップしてみました!
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宮ヶ瀬ダム
神奈川県の相模水系中津川に建設された重力式コンクリートダム。都心から50km県内に位置することから多くの観光客が訪れ、今では国内の代表的なダムである黒部ダムを抑えて、日本一の観光客数を誇ります。高さ156メートルの堤は下から見上げるだけでも圧巻ですが、4月から11月にかけて定期的に実施される観光放流の日(現在休止中)には、2本の放水口から放たれた大量の水が高低差70メートルを勢い良く落下するド迫力の光景を目にすることができます。また、ダム建設時に実際に使われたケーブルカー「インクライン(要別途料金)」に乗車してダムの上部に登ることで360°広がるパノラマ風景もお楽しみいただけます。
四万川ダム
群馬県の利根川水系四万川に建設された重力式コンクリートダム。堤高89.5メートルと他の大型ダムと比べると若干小ぶりなサイズですが、注目していただきたいのはダムのデザイン。ダム全体が石積み風の造りになっており、まるで西洋の美しい城壁を思わせるデザインが施されています。また、このダムは国土交通省の「地域に開かれたダム」に指定されており、治水・利水といったダムの機能だけでなく、ダムをより身近に感じてもらうために開放的な整備が施されているので、ダムに詳しくない方でも気軽にお楽しみいただけます。そしてこのダムのハイライトが人造湖・奥四万湖の美しさ。四万ブルーと呼ばれる透き通ったコバルトブルーの湖面と周りの山々の緑が織りなすコントラストは、神秘的で息を呑むような美しさです。
白水ダム
大分県竹田市の大野川上流にある重力式コンクリート造及び石造の堰堤(えんてい)。通称「白水ダム」と呼ばれていますが日本の河川法では、高さ15メートル以上のものをダムとしているため、厳密にはダムではないそう。高さ13.9メートルと他のダムと比べると小規模なこちらのダム(堰堤)には、圧倒的な存在感も大迫力な放水もありませんが、もともと地盤の弱かった場所にダムを建造するにあたり、落水時の衝撃による影響を考慮して流水の水圧を抑えるため、右岸には武者返しの曲面流路、左岸には階段状の流路が設けられており、左右両岸が織り成す水の流れや堰堤の転波列を越えて流れる様が美しく、「日本一美しいダム」とも称されています。
※2020年12月1日より工事のため越流を停止しています。越流停止期間は2021年5月下旬までの予定です。(天候等により変更が生じる可能性があります)
錦秋湖大滝
岩手県の北上川水系和賀川に建設された重力式アーチダム・湯田ダムに貯まる砂を排除するために建設された貯砂(ちょさ)ダムで錦秋湖大滝と呼ばれています。高さ17.5mのこのダムには、全国でも珍しく滝の裏側に通路が設置されており、なんと水が流れ落ちる様子を裏側から見学することができるんです。一般開放が湯田ダムの水位が低くなる夏(例年7月~9月頃)に限られるため、期間中は全国各地から多くの観光客が訪れ、大盛況となります。また、同期間の夜には「錦秋湖大滝ライトアップ」が開催され、流れ落ちる17本の滝の裏側から色とりどりの照明で映し出された幻想的なグラデーションの絶景をご覧いただくことができます。
黒部ダム
富山県の黒部川水系黒部川に建設されたアーチ式コンクリートダム。日本人なら聞いたことがない人はいないのではないかと思うほど有名なこちらのダムは、堤高186mと日本一の高さを誇り、その存在感たるや見る者すべてを圧倒します。ダム建設にあたっては、世紀の難工事と言われるほど過酷を極め、その過酷さは、石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」の舞台となったり、NHKのドキュメンタリー番組で特集されるなどしているので、出発前に予習してから訪れてもひと味違った感慨を得られるかもしれません。超巨大なコンクリートの壁を見るだけでも十分楽しんでいただけますが、落差100メートルの放水風景は壮観かつ迫力満点!!放水期間(例年6月〜10月)は限られますが、せっかく行くのなら是非時期を合わせてご覧いただきたい光景です。