ブリュッセル

005

テラスにも劣らない
スタンディングスタイル

ブリュッセル(ベルギー)

 世界で最も美しいと称されるグランプラスにも、ショッピングアーケードのギャルリー・サン・チュベールにも、小さな路地裏のアジアン食堂に至るまで、多くのレストランやカフェにはテラス席がある。席に着いてのんびり。「腹を満たす」というより、「ひとときを味わう」という風情だ。右手を軽く上げてギャルソンを呼ぶ女性、デミタスカップを持ったまま新聞を読みふける初老の男性。地元の人も旅行者も、この至福の時間は譲れない。まるで、のんびり過ごす権利を主張しているようだ。しかしこの街には、のんびりせずに美食にあずかりたい人もいる。しかも、オープンエアで。

La Mer du Nord ラ・メール・ドュ・ノール ブリュッセル(ベルギー)

 待ち合わせだろうか。カトリック教会横でたたずむ女性は、山盛りのフリッツを立ち食い中だ。そこに友人が現れると、ふたりして大笑い。友人も同じくフリッツの山盛りを持っていたからだ。あちらを見れば、大きなバックパックを背負った若者が、テイクアウトした生クリームたっぷりのワッフルを頬張りながら、チョコレートショップのショーウィンドーを覗き込んでいる。いやはや、まだ食べるつもりなのか…。
 この街は、美味しいものであふれている。しかも立ったまま楽しんでいる人が、なんと多いことか。フリッツもチョコレートもワッフルも、買ったその場でパクリ。その旺盛な食欲と反比例する体型に、少なからずの不平を感じながら、お目当ての聖カトリーヌ教会へと向かった。

フリッツを食べる女性 と ラズベリータルト ブリュッセル

 ここには有名なシーフードを堪能できる店がある。鮮魚を扱う店だが、料理も出す。しかも調理する人も食べる人も、ここではスタンディングだ。人気店なだけに小さな行列ができているが、回転はとても早い。テラスでのんびりというより「今日はサクッといこう!」の雰囲気。日本人には馴染みやすいスピード感だ。
 よく見ると、多くの人がボールに入ったフィッシュスープを食べているので、習ってオーダーする。肉厚の白身が入ったトマトベースで、付け合わせには山盛りのガーリックマヨネーズがトッピングされたパンと、スープに投入するチーズ。なかなかのボリュームで、しかもおいしい。食事の時間帯ではないのに、なるほど、人気なわけだ。山盛りのフリッツを食べながら待ち合わせをしていた女性たちが、行列の後部に並んでいる。おやおや、スタンディングのはしごですか。ブリュッセルの昼下がり、なんとも、楽しそうである。

La Mer du Nord ラ・メール・ドュ・ノール ブリュッセル(ベルギー)

© ベルギー・フランダース政府観光局

La Mer du Nord ラ・メール・ドュ・ノール
グランプラスから徒歩約6〜7分。店内は鮮魚や惣菜を扱っています。8:00〜18:00(日曜11:00〜20:00)月曜定休。フィッシュスープは6ユーロ。(2018年3月現在)

街角10minとは… 目の前で起こる偶然は、私だけのストーリー。旅先では、ひょんな出会いが、一生の思い出に…。ふと感じる、街角の数分間。 そんな、夢にも似た物語をお送りします。旅は、いいものですね。

ブリュッセル
“プチ・パリ”の愛称の首都ブリュッセル。EU(欧州連合)の主要機関が置かれる国際都市。ゴシック、バロック建築の街並みが残る、中世の薫り漂う都市でもあります。
添乗員付きツアーはこちら!

その他の都市はこちら

ブルージュ
ブルージュ
ブルージュとはフランス語で「橋」という意味。縦横に走る運河には50以上もの美しい橋が架かり、その景観は「屋根のない美術館」と称されています。
添乗員付きツアーはこちら!
ゲント
ゲント
古くから毛織物の生産と貿易で栄えた産業都市。フランドル絵画の最高峰・聖バーフ大聖堂の「神秘の仔羊」は必見です。
添乗員付きツアーはこちら!
アントワープ
アントワープ
スヘルデ川の河口にある芸術の街。ルーベンスやブリューゲルを生んだ場所であり、「フランダースの犬」の舞台としても有名。街の中心ノートルダム寺院には、ネロ少年があこがれたルーベンスの傑作が収められています。
添乗員付きツアーはこちら!
アムステルダム(オランダ)
アムステルダム
(オランダ)
北のベニスとも呼ばれる運河と橋の街。近代化が進む一方、古くから海運の中心として繁栄してきた国際都市で、レンガ造りのその美しい街並みに見どころが点在するオランダの首都です。
添乗員付きツアーはこちら!